小幌駅
2004年7月29日



夏休みという事で、前から行きたかった、
「キング・オブ・秘境駅」の名に輝く、室蘭本線の小幌駅へ。

小幌駅は、なんと、駅へ行くための道が一切無く、JRでしか行けない。
しかも1日、3〜5本程しか停車しない。
1回乗り過ごしたら、アウトの厳しい世界。
乗り降りする人も、「釣り人」か「鉄道マニア」位で、ほとんど居ないらしい。

1日散策キップを買って、のんびり鈍行の旅にしようか、
とも思ったが、長時間JRに乗るのはキツイ。
私は鉄ヲタでは無いのだ。

悩んだ挙句、隣の礼文駅まで車で行き、
そこから普通列車に乗って、小幌へ行く事に。
時刻表を眺め、礼文発朝7時に決定。帰りは、朝9時20分。
滞在は2時間で、十分だろう。
朝4時札幌出発。片道約130キロ。
闇と霧の中をくぐりぬけ、なんとか礼文駅に到着。




礼文駅。
迷うかな?見つからないかな?と少々心配だったが、
看板も出ていたので、すんなり見つかる。
礼文駅から乗り込んだのは、私ひとり。
そして小幌駅で降りたのも、私ひとりだった。

 









ワンマン列車。
田舎のバスみたいに回数券が出ていて、距離ごとに料金が違う。
礼文から小幌までは、210円だった。

 













釣り人でも鉄オタでもない、いい年齢をした女がひとり、小幌駅に降りる。
怪しい人だと思われないよう、デジカメを片手に、単なる観光客を大アピール。
って、こんな何も無い所に、余計怪しい気もする。
まぁ、いい。 私は余計な事を考えすぎるんだ。















小幌到着。



小幌駅は、霧に囲まれ、なんともいいムード。
いやでも気分は高まる。


両側をトンネルに囲まれている。
外界からの侵入は許さない!といった鎖国状態。

 

ネットで簡単に調べた所、海岸や岩屋観音なんかがあるそうだ。
地図も無いし、詳しい場所等はわからないかったが、
小さな陸の孤島。
すぐわかるだろう、とタカをくくっていた。

さぁ、まずそこへ行こう…と歩き出したが、

いきなり足が止まった。

見渡しても、道らしい道が一切無いのだ。










絶望的な気分のまま、
とりあえず海、波の聞こえる方向へ歩き出す。
駅舎らしいものがあったが、鍵がかかっていて、中には入れない。
その駅舎の前にトイレ。
その横に、けもの道発見。

いざ、森の中へ。

  






100メートルほど歩くと、
「小幌駅」とプレートのかかった建物を発見。
中を開ける。

 


建物内部。
さっきまで人がいたかのよう。
まるで民家だ。
そんな雰囲気が怖くて中には入らず、すぐドアを閉める。
旅行ノートも見たかったが、人の家に入るみたいで、気がひけてしまった…。


















ボート発見。
海岸に出る。

 

しばし休憩。
さて、駅の方に戻って、今度は岩屋観音とやらを探すか。

 



















駅舎の横にもうひとつけもの道を発見。
こっちかな。



何だ?この建物は?
不法投棄?廃墟?

 

首をかしげながら、道を進む。

 
 






ドラム缶風呂!?
水!?
よく見ると、上には電気の線が!

まさかこんな地に人がいるのか!?住んでいるのか!?





















うわー間違いない、絶対に人がいる!

私の脳内で非常シャッターがガンガン落ち、サイレンが鳴る。

静かな生活を壊してはいけない。
足早にこの場を立ち去る。
この一帯には近寄らない事にしよう。



山道を色々歩き回る内に、
線路、トンネル上に出る。
もうすぐ8時半。
列車が来る時間だ。よし、ここから写真を撮ろう、と待つ事に。



 


結局、岩屋観音は発見できず。
2時間、登山したり、海を眺めたり、写真を撮ったり、時間が許す限り、力いっぱい堪能する。
廃墟用ジーンズもスニーカーも軍手もすっかり泥だらけ。

9時24分、
東室蘭方面の下り列車が来た。
私と入れ替わりに、線路工事のおじさん5、6人が降りる。



さよなら、小幌駅。



さすが、キング・オブ・秘境駅。
ここは、この世の果てか、それとも忘れられた場所か、なんて感じですが、
まぁ、貴重な体験ができて良かったと。
この駅を何人の人が訪れたのかは知らない。
その人たちを自分でいうのもなんだが、モノ好きだな、と心の底から思う。





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